【書道講師が実験】洗濯で落ちる墨汁は本当に落ちるの?普通の墨液と比較

洗濯で落ちる液体墨って本当に落ちるの?普通の液体墨と比較検証 アイキャッチ画像

洗濯で落ちる墨汁は普通の液体墨より圧倒的に汚れが落ちやすいです。書道講師として比較実験をしたところ、サクラクレパスの「洗濯で落ちる墨液」は大部分を落とせましたが、にかわや合成糊剤を使った一般的な液体墨はほとんど落ちませんでした。

「書写のたびに服が真っ黒になって困る」という相談は教室でもよく受けます。今回は独自実験の結果と、服についた墨汁の落とし方、書道講師がすすめる墨液の選び方までまとめます。

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目次

結論:洗濯で落ちる墨汁は普通の液体墨よりはるかに落ちる

サクラクレパスの「洗濯で落ちる墨液」と、にかわ系の「書芸呉竹 紫紺系」、合成糊剤系の「玄宗 墨液」を同条件で比較したところ、洗濯で落ちる墨液だけが目に見えて薄くなりました。ただし完全に消えるわけではなく、青みがわずかに残ります。

つまり「服を真っ黒にしないで済む保険」として優秀ですが、100%消える魔法ではありません。書道講師としては、練習用に洗濯で落ちる墨液、清書用は一般の液体墨という使い分けがおすすめです。相性のよい筆は書道講師がすすめる書道筆ランキングもあわせてご覧ください。

製品タイプ洗浄後の汚れ
洗濯で落ちる墨液(サクラクレパス)洗濯対応大部分が落ちた(青みがわずかに残る)
書芸呉竹 紫紺系(呉竹)にかわ使用ほとんど落ちず広がった
玄宗 墨液(墨運堂)合成糊剤使用ほとんど落ちず広がった

なぜ普通の液体墨は服から落ちにくいのか

普通の液体墨が落ちにくいのは、墨の粒子が極端に小さく繊維の奥まで入り込むうえ、煤粒子に直接効く家庭用洗剤が存在しないからです。

墨汁が服から落ちない2つの理由

  • 水が溶媒なので繊維に吸収されやすい:墨汁は水ベースで、布が水と一緒に墨を吸い上げます。
  • 煤の粒子が極端に小さい:小さいほど繊維の奥に入り込み、洗っても出てきません。
  • 墨専用の洗浄成分がない:油汚れの界面活性剤や酵素のように、墨の微粒子に直接効く家庭用成分は存在しません。

教室でも「何度洗っても落ちない」と相談を受けますが、原因は墨という素材の性質です。

墨の粒子はどのくらい小さいのか

墨の粒子の大きさは、固形墨で0.2~0.6μ、市販の墨液で0.05~0.25μほどです。液体墨が細かく作られているのは書き味と発色を均一にするためですが、その細かさが洗濯ではマイナスに働きます。

墨の種類粒子径服についたときの落ちやすさ
固形墨0.2~0.6μ液体墨より落ちやすい
市販の墨液0.05~0.25μ非常に落ちにくい

にかわと合成糊剤の違い

液体墨の「のり」成分は、にかわと合成糊剤の2種類に分かれます。にかわとは動物の皮や骨から作る天然の接着成分、合成糊剤とは化学的に合成された粘り気のある成分です。どちらも煤の粒子が容器の底に沈むのを防ぐ役割を持っています。

にかわを使った墨液は、にかわが固まらないよう大量の塩を加えており、この塩が筆を傷めたり表具の際に墨が散る原因になったりします。合成糊剤の墨液は伸びが悪く、筆についた墨が乾くとほぐしにくくなります。小中学校の書写では、磨る手間がなく価格も安いため、ほとんどの生徒が液体墨を使います。硬筆と毛筆の違いもあわせてご覧ください。

比較実験:洗濯で落ちる墨液 vs 一般的な液体墨

洗濯で落ちる液体墨と一般的な液体墨の差を検証するため、同じ布・洗浄液・時間で比較実験を行いました。使う墨液は「洗濯で落ちる墨液(サクラクレパス)」、にかわ系の「書芸呉竹 紫紺系(呉竹)」、合成糊剤系の「玄宗 墨液(墨運堂)」の3種類です。

実験道具

  • 洗濯で落ちる墨液(サクラクレパス)…誤って付いた衣服の墨汚れが落とせる設計
  • 書芸呉竹 紫紺系(呉竹)…墨色は濃墨では紫紺、淡墨では紫系、にかわ使用
  • 玄宗 墨液(墨運堂)…墨色は紫紺系の純墨、合成糊剤使用
  • 布…綿100%、10×10cmに裁断する
  • 洗浄液…ぬるま湯100ml、漂白剤1ml、洗剤1mlを混ぜ合わせる

洗浄液の配合はサクラクレパスのパッケージ指定に合わせました。漂白剤は色柄物にも使える酸素系漂白剤(酸素の力で汚れを分解するタイプ)が基本です。

実験方法

  1. 布に5滴ほど液体墨をたらし、半日乾燥させる
  2. 乾燥させた布を洗浄液に2時間程度つけ置きし、そのあとぬるま湯で洗い流す
  3. 洗浄前と洗浄後の墨汚れの様子を撮影し、比較する

実験結果

洗濯で落ちる墨液(サクラクレパス)を布に5滴垂らして洗浄した後の検証写真。墨汚れがかなり薄くなりわずかに青みが残った状態

洗濯で落ちる墨液(サクラクレパス):かなり薄くなりましたが少し青く残っています。日常的に着る服なら、ほとんど気にならないレベルです。

書芸呉竹 紫紺系(にかわ使用の液体墨)を布に5滴垂らして洗浄した後の検証写真。墨汚れがほとんど落ちず広がっている状態

書芸呉竹 紫紺系(にかわ使用):わずかに薄くなったものの、むしろ汚れが広がってしまいました。にかわの粘り気が繊維にからみつき、洗っても引きはがしにくいことがわかります。

玄宗 墨液(合成糊剤使用の液体墨)を布に5滴垂らして洗浄した後の検証写真。墨汚れがほとんど落ちず広がっている状態

玄宗 墨液(合成糊剤使用):こちらもわずかに薄くなった程度で、汚れが広がっています。合成糊剤も繊維への定着力が強く、落ちにくい結果でした。

実験のまとめ

洗濯で落ちる墨液は大部分を落とせるのに対し、一般的な液体墨はほとんど落ちません。墨液を変えるだけで、服汚れの悩みのほとんどがなくなります。

服についた墨汁の落とし方【家にある物で対処】

服に墨汁がついたら、家にあるもので対処する方法がいくつかあります。重要なのは、墨が乾く前にできるだけ早く処置することです。乾いた墨は繊維の奥まで入り込み、どんな方法でも完全には落とせません。

墨汁がついたらすぐにやること(応急処置)

  • こすらずに「押して」墨を吸い出す
  • 汚れた部分の下に乾いたタオルを当て、汚れを移す側を作る
  • 水で薄めた中性洗剤をしみ込ませ、もう一度押す
  • 外出先ならティッシュでも代用できる

こすると墨が広がって繊維の奥に入り込むので、必ず押すイメージで動かします。この段階で吸い出せる量が、その後の落ちやすさを左右します。

酸素系漂白剤と洗剤でつけ置きする方法

  1. 40℃前後のぬるま湯に酸素系漂白剤と中性洗剤を溶かす(100mlに対して各1ml程度)
  2. 汚れた部分を浸し、2時間程度つけ置きする
  3. ぬるま湯で軽くもみ洗いする
  4. 普通の洗濯機で本洗いする

洗濯で落ちる墨液を使っていれば、この方法でほとんど目立たないところまで戻せます。

重曹を使った落とし方

酸素系漂白剤がない場合は、重曹で代用できます。重曹とは炭酸水素ナトリウムのことで、弱アルカリ性の家庭用洗浄剤です。墨汚れに直接ふりかけ、少量のぬるま湯でペースト状に練り、歯ブラシで優しくすり込んで30分置いてすすぎます。子ども服にも使いやすいですが、ウールやシルクは避けてください。

歯磨き粉でこすり落とす方法

外出先で墨をこぼしたときに役立つのが歯磨き粉です。研磨剤と界面活性剤が墨の粒子を物理的に絡めとります。汚れに少量つけ、歯ブラシで優しくこすってぬるま湯ですすぎます。繊維を傷める可能性があるので、デリケートな素材は避けてください。

時間が経った墨汁の落とし方

すでに乾いた墨汁は、応急処置に比べて落ちにくくなります。ただしご飯粒法と酸素系漂白剤のつけ置きを組み合わせれば、ある程度は薄くできます。ご飯粒法とは、炊いたご飯をつぶして墨汚れにすり込み、米のデンプンの粘りで墨粒子を絡めとる伝統的な方法です。

  1. 炊いたご飯を5~6粒、墨汚れの上に置く
  2. 指でつぶしながら汚れにすり込む
  3. 少量の中性洗剤を加え、さらにすり込む
  4. 水ですすいだあと、酸素系漂白剤でつけ置きする

完璧に戻すのは難しいので、汚れた直後に応急処置できるよう、洗濯で落ちる墨液を先に選んでおくのが現実的です。

注意したい繊維(ウール・ナイロン・シルク)

ウール、ナイロン、シルクなどのデリケート素材には、漂白剤や重曹は向きません。ウールとシルクはアルカリ成分でダメージを受けやすく、ナイロンは高温のお湯で変形することがあります。これらの素材は自宅処理を諦めてクリーニング店に相談するのが安全です。

素材家庭での対処理由
綿・麻つけ置きOK丈夫でダメージに強い
ポリエステルつけ置きOK墨が染み込みにくい
ウールクリーニング推奨アルカリで縮みやすい
シルククリーニング推奨漂白で変色しやすい
ナイロン低温で慎重に高温で変形しやすい

子どもの書写では、汚れに強いポリエステルや綿100%の服を選ぶと洗濯のストレスが大きく減ります。

書道講師がすすめる「洗濯で落ちる墨液」の選び方

書道講師の立場からおすすめなのは、練習用と清書用で墨液を使い分けることです。練習用には汚れに強い洗濯対応タイプ、清書や作品には発色のよい一般の液体墨という組み合わせが実用的です。

練習用:サクラクレパス「洗濯で落ちる墨液」

練習用にもっともおすすめなのが、実験で使ったサクラクレパスの「洗濯で落ちる墨液」です。文具店で手に入りやすく、子どもの書写に十分な発色があります。練習中にこぼしてもすぐつけ置きすれば、服へのダメージを最小限に抑えられます。習字の筆の洗い方もあわせて確認すると、墨液本来の発色を長く保てます。

清書用:にじみにくいタイプを選ぶ

清書や作品提出では、発色の濃さとにじみの少なさが重要です。洗濯で落ちる墨液は服汚れに強い一方、書き味と発色は一般の液体墨にやや譲ります。作品提出や条幅の清書には、にじみにくい純墨タイプが基本です。清書の日は黒い服やエプロンを着るルールを決めておくと安心です。

学校の書写ではどう選ぶか

小中学校の書写は練習中心なので、洗濯で落ちる墨液を選べば家庭の洗濯ストレスを大きく減らせます。先生から指定がある場合はそちらに従い、自由選択ならサクラクレパスの「洗濯で落ちる墨液」が無難です。書写でよく問題になるのが筆の手入れで、習字の筆が割れる原因と直し方もあわせて確認しておくと子どもの筆が長持ちします。使いやすい書道筆を選ぶコツもまとめています。

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よくある質問

洗濯で落ちる墨汁は本当に完全に落ちますか?

完全に消えるわけではありませんが、普通の液体墨より圧倒的に落ちます。書道講師として実験したところ、サクラクレパスの「洗濯で落ちる墨液」は墨汚れの大部分を落とせましたが、青みがわずかに残りました。日常的に着る服なら気にならないレベルまで薄くなります。

時間が経った墨汁の汚れは落とせますか?

乾いてしまった墨汁の汚れは、応急処置に比べて落ちにくくなります。ただしご飯粒法と酸素系漂白剤のつけ置きを組み合わせれば、ある程度は薄くできます。完全に元に戻すのは難しいので、あらかじめ洗濯で落ちる墨液を使い、汚れた瞬間にすぐ対処できるようにしておくのが現実的です。

学校の書写には洗濯で落ちる墨汁を持っていってもいいですか?

先生から指定がない限り、洗濯で落ちる墨汁を持って行って問題ありません。書写は練習が中心の授業なので、発色よりも汚れにくさが優先されます。作品提出や清書では、別途にじみにくい液体墨を用意しておくと安心です。指定がある場合は必ず学校の指示に従ってください。

墨汁が服についたとき、いちばん最初にやるべきことは何ですか?

いちばん最初にやるべきことは、こすらずに水で吸い出す応急処置です。汚れた部分の下に乾いたタオルを当て、水を含ませた布で上から押すように墨を移します。こすると墨が広がって繊維の奥に入り込むので、必ず「押す」動きで対処してください。この段階で吸い出せる量が、その後の落ちやすさを決めます。

洗濯で落ちる墨液で書いた作品は、にじみやすいですか?

洗濯で落ちる墨液は、一般の液体墨と比べると発色やにじみのコントロールがやや控えめです。練習や日常の習い事には十分使えますが、作品提出や条幅の清書には、にじみにくい純墨タイプが安心です。練習用と清書用で使い分けるのが、書道講師としておすすめする実用的な方法です。

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