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文徴明(ぶんちょうめい)について解説/書風の特徴など

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文徴明の基本情報

文徴明ぶんちょうめい(1470~1559)は、最初の名称はへきでした。

あざなを徴明と言っていましたが、のちに名前を徴明、字を徴仲ちょうちゅうと改めました。

雅号がごう衡山こうざん、また官名によって文待詔ぶんたいしょうともよばれました。

江蘇こうそ蘇州そしゅうの人です。

文徴明の人生

祖父の世代から学問で名を知られている家に生まれました。

彼は幼少の頃はあまり賢くなかったらしいのですが、次第に才能ををあらわして第一次の文官試験に合格しました。

しかし、科挙かきょ試験(官僚登用試験)にはなんど受けても合格できませんでした。

彼の学問や人格は高く評価されていたので、嘉靖かせい2年(1522)54歳の時に、特例で翰林院かんりんいん待詔たいしょう(文章を書く人)に推薦で就任します。

ところが、都会の北京の生活にはなじめず、昇進の話を断り、3年後には退いて蘇州へ帰郷しました。

故郷に帰ってからは、詩文と書画の名声が高まり、後半の半生の30年あまりは当時の文学・美術界の重鎮として活躍しました。

祝允明しゅういんめい唐寅とういん・詩人の徐禎卿じょていけいと合わせて“呉中ごちゅうの四才子”と言われていました。

文徴明の性格

蘇州に帰ってからは、祝允明・唐寅・徐禎卿と親しく交際して共に勉強しましたが、女遊びにはついていかない真面目な性格でした。

そうなればいたずら好きの祝允明や唐寅は、なんとかしてこの真面目な文徴明を軟化させようといろいろな手段を実行します。

この文徴明を軟化させようとする話が面白いので2つ紹介します。

芸者から声をかけられても冷静

唐寅があらかじめ芸者たちに言い含めておいたうえで、祝允明と一緒に文徴明をお寺へ行こうと誘います。

2人はわざと遊女屋が集まっている道を通って、芸者に目で合図すると、芸者はさっそく文徴明をつかまえて連れこもうとしました。

しかし、文徴明はあきれたように「お2人ともいたずらがお好きだね」と言ったので、2人も笑ってごまかさざるをえませんでした。

芸者に捕まれると逃げる

唐寅があらかじめ芸者たちを船の中に隠しておいたうえで、文徴明を迎えました。

お酒だけならある程度相手をしたらしいのですが、宴が進むにつれて唐寅が芸者たちをそれぞれの隣に座らせようとすると、女のいる席がきらいな文徴明は離れようとしましたが、芸者がつかまえてはなさなかったため、水の中に跳びこもうとしたそうです。

真面目なのに勉強は苦手だった

飲まず打たず買わずにコツコツと勉強したにもかかわらず、官僚になるための試験は何度受けても合格しませんでした。

飲酒や遊びの大先輩である祝允明は挙人に、年が近い唐寅と後輩の徐禎卿は科挙に合格して進士になっていきます。

一番勉強家の文徴明ひとりだけだめだったのです。

試験には合格しなかったものの、こういう真面目な性格はしたわれていたので、さきほど紹介したように、特例で翰林院待詔たいしょうに推薦で就任しました。

文徴明の書

文徴明は李応禎りおうていといった名家に師事しましたが、若いころの書は下手だったそうです。

しかし、何事にも努力家だった彼は、宋・元時代の書を学び、また李応禎の導きによって、晋・唐時代の書の臨書に励みました。

ただし、もっとも模範としたのは趙孟頫ちょうもうふだったので、文徴明が得意な行書は、「雑花詩巻ざっかしかん」のように晋唐風であったり、大字の行書は、中年のころから「赤壁賦せきへきふ」のように黄庭堅風の書風の作品です。

晩年は、王羲之の「集王聖教序」を根底にした行書と、また、王羲之の「黄庭経」「楽毅論」を根底にした小楷を最も得意とし、現在見られる作品はそのようなものが多いです。

その書風は、文徴明が90歳まで長生きしたことや初心者にもなじみやすい書風ということで、多くの追随者を出し、彼の子や門人によって“文派”とよばれる書流が形成され、清代にいたるまで大きな影響を与えました。

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