風信帖とは、空海が最澄(767~822)にあてた手紙(風信帖・忽披帖・忽恵帖)計3通をつなげて1巻に仕立てた総称です。
こちらでは、風信帖3通の内容を全文現代語訳で紹介します。
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第1通「風信帖」
釈文
風信雲書、自天翔臨。
披之閲之、如掲雲霧。兼
恵止観妙門、頂戴供養、
不知攸厝。已冷。伏惟
法體何如。空(海)推常、擬
隨命、躋攀彼嶺。限以少
願、不能東西。今思与我金蘭
及室山、集會一處、量商仏
法大事因縁、共建法幢、報
仏恩徳。望不憚煩勞、蹔
降赴此院。此所々望々。忩々
不具、釋空(海)状上。
九月十一日
東嶺金蘭 法前
謹空
現代語文
お手紙をいただきました。拝見いたしますと、ご近況が明らかとなり、雲や霧が去ったよに心が晴れ晴れといたしました。また、お手紙とともに「摩訶止観」の経典を下さいまして、ありがたくいただき、供養をいたします。ご厚情に身のおきどころもありません。厚くお礼申し上げます。
もうだいぶ寒くなりましたがお体はいかがでございますか。わたくしは、相変わらず元気に過ごしております。
わたくしも、おことばに従って、お山に登ってお目にかかりたく思いますが、用事に追われて、参上することもできません。いま、あなたと室生山の堅慧と3人がどこか一緒に集まり、仏法の重要な教義や因縁について語り合い、共同の力でおなじ信条にもとづく宗旨の寺を建立して、仏の宏大無辺の恩徳に報いたいと思っています。どうかそのためにも面倒くさがらずに、わたくしのいるこの寺にあなたのほうからお越しください。これこそ、わたくしの希望するところです。
9月11日
東嶺の金蘭(最澄へ向けたあて名のこと)
法山(空海の弟子で、室生山の堅慧)
法前(脇付にあたるもの。僧侶に対してのみ使う用)
謹空(手紙の一番終わりに書いて敬意を表す用語)
第2通「忽披帖」
釈文
忽披枉書、已銷陶尓。
御香兩裹、及左衛士
督尊書状、並謹領
訖。迫以法縁、暫闕談
披、過此法期、披雲。
因還信奉此。不具、
釋遍照状上。
九月十三日
現代語訳
お寄せいただいたお手紙を早速に拝見いたして、心配も消え安心しました。届けてくださったお香2包と、それに左衛士の督の藤原冬嗣さまの手紙、ともに拝受いたしました。ところがただ今仏事にとり込んでいまして、お手紙を拝見したり使いの方とも話をする時間がありません。この仏事がすんだ後に、すぐに拝見いたし、かならずくわしくご返事申し上げます。ご使者に託して、とり急ぎこの手紙をさし上げました。
9月13日
第3通「忽恵帖」
釈文
忽恵書札、深以慰情。香
等以三日來也。從三日起
首、至九日、一期可終。
十日拂晨、將參入。願
留意相待。是所望。
山城石川兩大徳、深
渇仰望申意也。
仁王經等、備講師將
去未還、後日親將去
奉呈。莫々、責々也。因
還人、不具、沙門遍照状上。
九月五日
止観座主 法前
謹空
現代語訳
早速にお手紙をいただき、深く安心いたしました。お香などは3日にこちらに参りました。この月の3日からはじめて9日までで仏事が済みます。したがって10日の明け方発足してあなたさまの所へお伺いいたしましょう。どうか、そのおつもりでお待ちいただきたく存じます。山城と石川の両高僧も、深くあなたに帰依しており、その気持ちをお伝えしたいと望んでいます。
ところで法会のためにととのえた『仁王経』などの経典は、国分寺の講師が持ち帰ったままで、まだ返して参りません。後日、わたくしが言って取り返してきます。どうぞあしからず、お許しくださいますように。帰りの使いにこの手紙を持たせます。よろしく。
9月5日
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