はじめて見たとき、「なんだか不気味…」と感じた方もいるかもしれません。
黒い背景に白く浮かぶ文字——これは「拓本(たくほん)」と呼ばれるもの。石に刻まれた文字に紙を当て、墨を塗って写し取ったものです。1400年前の石碑の文字が今も紙の上に蘇る、いわば”時を超えた印刷”。その不思議な黒と白の世界が、このコースのはじまりです。
この石碑に刻まれているのが、唐代の書家・欧陽詢(おうようじゅん)が632年に書いた「九成宮醴泉銘」。欧陽詢は72歳のときにこれを書いたと言われており、一点の乱れもない引き締まった楷書は、現在でも世界中の書家から「楷書の最高峰」として仰がれています。
では、なぜこれを練習するのでしょうか。
楷書には「美しい字の原理」があります。筆の入れ方・払い方・線の太細・字全体のバランス——その一つひとつの”正解”が、九成宮醴泉銘にはすべて入っています。1400年間、数え切れないほどの書家がこの碑を手本にしてきた理由は、それだけ「教科書として完璧」だからです。
このコースでは、拓本の文字順に4文字ずつ、苦手な箇所をごまかさずに一つひとつ丁寧に進めていきます。古い文字に見えるかもしれませんが、学んでいくうちにわかってきます——九成宮の線は、実にかっこいい。
書道の世界で「これができれば本物」と言われる一碑を、一緒に味わってみませんか?
対象:高校生〜大人(書道経験のある方向け)

