最初にこの作品を目にしたとき、「なんて自由なんだろう」と感じるかもしれません。
流れるように連なる線、軽やかに揺れるリズム——けれどそのすべては、偶然ではありません。
このコースで練習するのは、書道史上もっとも有名な行書作品「蘭亭序」。
いわゆる“早書きの文字”である行書の頂点に立つ名作です。
では、なぜ「蘭亭序」をお手本に練習するのでしょうか。
書道には、師から弟子へと続く長い系譜があります。どの書家にも「この人のように書きたい」と追い続ける先生がいて、その先生にもまた、超えられない存在がいます。そうして遡っていくと、多くの書家が最終的に行き着く源流——それが「蘭亭序」です。
現代の手本は、その長い歴史の中で枝分かれしてきた一つの流れにすぎません。
もし本質に触れたいのなら、最初から源に立ち返るべきではないでしょうか。
もちろん、さらに遡れば古代文字へと向かっていきます。
けれど「文字を芸術として極めた到達点」という意味で、「蘭亭序」はまさに特別な存在です。
この作品には、行書のすべてが詰まっています。
筆の流れ、リズム、文字同士のつながり、そして変化のつけ方。
一見すると自由に見えるその一画一画に、計算し尽くされた美が潜んでいます。
このコースでは、文字順に沿って4文字ずつ進めていきます。
苦手な部分もごまかさず、一つひとつ丁寧に向き合いながら、「蘭亭序」の本質を体に染み込ませていきます。
数えきれない書家たちの出発点であり続けてきたこの作品。
その世界に、あなたも一歩踏み入れてみませんか?
対象:高校生〜大人(書道経験者向け)

