日本の法帖

蓬萊切(ほうらいぎれ)について解説【作者・読み方】

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蓬萊切(ほうらいぎれ)について解説

蓬萊切
蓬萊切 五島美術館蔵

蓬萊切(切とは断簡のこと)は、『拾遺抄』『拾遺和歌集』から4首、『後撰和歌集』から1首を書写した古筆断簡です。

もともとは巻子本でしたが、昭和9年(1934)1首ずつ5枚に分割されました。

いづれも賀の歌がかかれています。一面に雲母砂子をまいた、淡い藍色の品のよい雲紙を使用しています。

名称は、伝来した肥前国(長崎県)平戸藩主松浦家まつらの庭園「蓬萊園」に由来します。

筆者は、藤原行成ゆきなりと伝称されていますが、書風は「高野切こうやぎれ第三種」や「粘葉本でっちょうぼん和漢朗詠集わかんろうえいしゅう」、「近衛本和漢朗詠集」などと同筆同系統ともいうべきもので、書写年代は「高野切」と同じく11世紀なかごろと推定されています。

雲紙2枚に女手(ひらがな)でかかれた詩が3首、草仮名で2首。
断簡ながら1首で紙面が充実し、連綿が少なく文字が大きいので、初学者の好手本であり、もともと手本として書かれたのではないかという説もあります。

蓬萊切の読み方・釈門

らにむれるたづ

さしならおもふこゝ

ろのあ

大意:大空に群れ遊ぶ鶴にも、あたかも長寿を祝う心があるかのようだ

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